大阪地方裁判所 昭和59年(わ)5318号 判決
本店所在地
大阪府南河内郡狭山町西山台二丁目四番四号
サナダ精工株式会社
右代表者
眞田達雄
本籍
大阪府河内長野市原町七七四番地
住居
大阪府南河内郡狭山町西山台二丁目四番四号
会社役員
眞田達雄
昭和一二年一二月一二日生
右サナダ精工株式会社及び眞田達雄に対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は、検察官宇田川力雄出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人サナダ精工株式会社を罰金一二〇〇万円に、被告人眞田達雄を懲役一〇月にそれぞれ処する。
被告人眞田達雄に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人サナダ精工株式会社(以下「被告会社」という)は、大阪府南河内郡狭山町西山台二丁目四番四号に本店を置き、合成樹脂製品の製造販売業を営んでいるものであり、被告人眞田達雄は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人眞田達雄は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入れを計上し、棚卸しの一部を除外するなどの方法により所得の一部を秘匿したうえ
第一 被告会社の昭和五五年一〇月一日から昭和五六年九月三〇日までの事業年度における所得金額が一億一九四三万八四六九円(別紙(一)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、昭和五六年一一月三〇日、大阪府富田林市若松町西二丁目一六七九番地一所在の所轄富田林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額が六六三八万七三三三円で、これに対する法人税額が二五七一万八五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度における正規の法人税額四七九七万八七〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)と右申告税額との差額二二二六万〇二〇〇円を免れ
第二 被告会社の昭和五六年一〇月一日から昭和五七年九月三〇日までの事業年度における所得金額が一億〇七四八万三九六二円(別紙(二)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、昭和五七年一一月二五日、前記富田林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額が六九一九万七五〇七円で、これに対する法人税額が二七二八万二〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度における正規の法人税額四三三五万三九〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)と右申告税額との差額一六〇七万一九〇〇円を免れ
第三 被告会社の昭和五七年一〇月一日から昭和五八年九月三〇日までの事業年度における所得金額が一億九三一四万〇四四一円(別紙(三)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、昭和五八年一一月二四日、前記富田林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額が一億四六七一万九二〇八円で、これに対する法人税額が五九三七万八二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度における正規の法人税額七八八六万九七〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)と右申告税額との差額一九四九万一五〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一 被告会社代表者兼被告人眞田達雄の当公判廷における供述
一 被告人眞田達雄の検察官に対する供述調書
一 被告人眞田達雄に対する収税官吏の質問てん末書 九通
一 木元良一、三井三夫、池田陽、西尾昌員及び森下文男の検察官に対する各供述調書
一 木元良一(三通)、西田晴彦、三井三夫(二通)、清水太士、池田陽(二通)、西尾昌員(二通)、道端靖治、森下文男(二通)、宮阪芳延及び西川和夫に対する収税官吏の各質問てん末書
一 収税官吏作成の査察官調査書 二五通
一 富田林税務署長作成の証明書(法人税確定申告書写添付のもの) 三通
一 富田林税務署長作成の証明書(青色申告承認取消に関するもの)
一 収税官吏作成の脱税額計算書
(法令の適用)
被告人眞田達雄の判示各所為は、いずれも法人税法一五九条一項に該当するので、それぞれにつき所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役一〇月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予することとする。
被告会社に対しては、法人税法一六四条一項により被告人眞田達雄の前記同法一五九条一項の違反行為につきいずれも同条項の罰金刑に処すべきところ、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で、被告会社を罰金一二〇〇万円に処することとする。
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 野間洋之助)
別紙(一)
修正損益計算書
自 昭和55年10月1日
至 昭和56年9月30日
〈省略〉
〈省略〉
別紙(二)
修正損益計算書
自 昭和56年10月1日
至 昭和57年9月30日
〈省略〉
〈省略〉
別紙(三)
修正損益計算書
自 昭和57年10月1日
至 昭和58年9月30日
〈省略〉
〈省略〉
別紙(四)
税額計算書
〈省略〉